約30年前、アメリカデトロイト郊外のアンティークショップで、たまたまこの浮世絵を見つけ購入しました。 源氏物語第13帖、明石を描いた物です。 【画面に記された文字の意味】 ◼️画面上中: 代表歌が書かれています。 「秋の夜のつきげの駒よわが恋ふる雲居をかけれ時のまも見ん」 ◼️画面上右: タイトル 源氏香の図　明石 ◼️画面右下 ・山久···版元の山本屋久兵衛 ・一陽斎豊国画···絵師 一陽斎と号した、初代歌川豊国(1769~1825年)の作をであることを表しています。 ・印鑑のようなハンコ: 改印といって、浮世絵を刊行する際、事前に検閲してもらった印です。 【年代】 豊国の生没年から推定すると1800年前後の作品かと思われます。 【サイズ】 絵: 24.5×17.8㎝ 額: 37×29.5㎝ 【コンディション】 絵は、ずっと額の中に入っており、状態は良いと思います。 額は一部小さな剥がれがございますが、全体的には悪くないと思います(写真6等)。 裏側の台紙には、上と下に、はがし跡がございます(写真4)。 台紙の左下に、おそらくアメリカ人のアンティークディーラーが書いたと思われる絵の説明書きがございます(写真5)。 三代目豊国(歌川国貞)の1850年頃の作とありますが、前述の通り、画面に記された情報からは、初代歌川豊国(一陽斎)の1800年前後の作と分かります。 是非、本物の浮世絵をお手に取って楽しんでいただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。 浮世絵 初代歌川豊国 一陽斎豊国 源氏物語浮世絵明石